2015年10月25日
買い物難民を救う移動式スーパーのヒミツとは!?
2015年9月。大型スーパーの閉店ラッシュが相次ぎました。
ユニーが全国で50店舗。イトーヨーカ堂が40店舗を閉鎖。
食品小売業界に大異変が起こり始めているのですが、
そんな中、創業わずか3年で全国にサービスを拡大している
徳島生まれの「とくし丸」というスーパーがあります。
「とくし丸」は、スーパーに買い物に行けない高齢者の家を
一軒一軒まわる移動販売のスタイル。
小さなトラックに詰め込んだ商品は、
生鮮食品から生活雑貨まで、なんと1200点以上。
街の御用聞きとして高齢者と親密な関係を築き上げてきました。
街の御用聞きの関係を築き上げることは、
並大抵のことではありません。
そこで、とくし丸では、地域に溶け込むうえで
主に2つの運営ルールを設定。
1つ目は、個人事業主に地元出身者を採用。
そして、もう一つ、地元商店街とのいい関係を築くために
商店街とのルールを設けているのですが、
それはどのようなものでしょう?
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答え
地元商店の半径300mでは営業禁止解説
地元の小さな商店を守るため、
その半径300メートル内では営業しないとしています。
そして、地元に根付く上で、このスーパーのもっと凄いアイデアであり、
成功要因となっているのが「販売代行」というスタイルなのです。
スーパーから商品を借りて売り、余ったら返すというモデルは、
他の移動販売にはない形態です。
運転手は個人事業主(いわばフランチャイズのオーナー、約300万円で販売車購入)で、商品は各地の提携スーパーに供給してもらうというユニークな仕組みが特長。
「既存のスーパーと組む」という発想が成功要因となりました。
いもづるアイデア
街のスーパーと組むことにより
このような変わった運営ルールも設けています。
○「プラス10円ルール」。
全ての品につき10円を利用者が負担(サービス継続のため受益者も応分の負担を)
これは1つの商品につき価格を一様に10円ずつ値上げするというアイデアで、
とくし丸本部、スーパー、販売パートナーに加えて、
第4の協力者として顧客にも少しだけ負担してもらおうという考え方。
「100円の商品は110円で、1000円の商品は1010円で販売するというやり方は、
スーパーからは『なんて乱暴なんだ』と驚かれました。
しかしこれは価格比率の問題ではなく、一つの商品を
お店から玄関先まで届けるという付加価値に10円払ってくださいという仕組みであって、非常に合理的なのです。
現在、販売車の台数は100を超え、販売額は合わせて年10億円へ。
2015年末には100台、2016年末には300台、
そして2017年には1000台までの大幅な事業拡大を見通しています。
この記事を書いた人
横山 龍太(株式会社ドーンマジック 代表取締役 / 放送作家)
1977年生まれ、熊本県天草市出身。
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